AGビジネスサポートは、アイフルのグループ会社が提供するファクタリングサービスです。買取手数料は買取額の2%〜9.9%と上限まで公表されていて、1万円から買い取ります。
このページでは、2026年10月に公式サイトとファクタリング専用サイトの利用規約(全30条)で確認した条件をまとめています。このサービスは規約が全文公開されているので、商品紹介のページには書かれていない費用負担や責任の範囲まで確認できます。当サイトで会社別ページを作成した会社の中では珍しい部類です。
AGビジネスサポートとは
- 商号:AGビジネスサポート株式会社
- 本社:東京都港区芝2丁目31-19
- 設立:平成13年(2001年)1月18日
- 資本金:1億1千万円
- 代表者:代表取締役社長 深田 裕司
- 事業内容:事業者金融業(ビジネスローン、不動産担保ローン、ABL、ファクタリングなど)
- ファクタリングの問い合わせ:0120-424-704(平日9:30〜18:00、土日祝は定休)
ファクタリングは同社の商品の1つです。公式サイトには、ほかに事業者向けビジネスローン、カードローン、不動産担保ローン、売掛債権担保融資(ABL)、補助金対応POファイナンスなどが並んでいます。融資の商品とファクタリングは条件が別です。この違いは後述します。
手数料2%〜9.9%と、別途かかる費用
公式の商品ページに書かれている条件は次のとおりです。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 買取対象債権 | 1万円から |
| 買取手数料率 | 買取金額に対して2%〜9.9% |
| 取引先への開示 | 原則不要(2社間) |
| 契約方式 | 2社間・3社間の両方 |
| 対象売掛先 | 継続的に取引のある国内法人企業 |
| 売掛債権の基準 | 検収が完了している確定債権 |
| 精算方法 | 同社指定の収納口座へ入金 |
手数料の上限が9.9%と示されているのは、利用者にとって分かりやすい部分です。ただし「総費用が9.9%以内に収まる」という意味ではありません。利用規約には、手数料とは別に利用者が負担する費用が定められています。
| 費用 | 負担 | 根拠 |
|---|---|---|
| 買取手数料(2%〜9.9%) | 利用者 | 譲渡対価からあらかじめ控除される(第9条) |
| 譲渡対価の振込手数料 | 同社 | 第9条2項 |
| 回収した売掛金を同社へ送金するときの振込手数料 | 利用者 | 第10条1項 |
| 債権譲渡登記の手続費用 | 利用者 | 第8条5項(登記を行う場合) |
| 印紙税 | 利用者 | 第20条2項。収入印紙を持参し、持参しない場合は譲渡対価から相殺 |
| 譲渡契約の履行に関する一切の費用 | 利用者 | 第20条1項 |
| 2社間の回収事務にかかる費用 | 利用者 | 第11条5項 |
注意したいのは、これらがすべての取引で必ず発生するわけでもないという点です。債権譲渡登記は「同社から要請があった場合」に行うものですし、印紙税は契約の形態によります。確実に言えるのは、手数料率だけを見ても実際の負担額は分からないということです。見積もりの段階で、手数料以外に何がかかるかを書面で確認してください。
債権譲渡登記が必要になる場合
商品紹介のページには債権譲渡登記の記載がありませんが、規約には条項があります(第8条)。
- 同社から要請があった場合、利用者は動産・債権譲渡特例法に基づく債権譲渡登記を行う
- 登記事項は同社が定め、利用者はこれをあらかじめ承諾する
- 手続に要する各種費用はすべて利用者の負担
- 同社の請求があれば、利用者は登記事項証明書を必要部数提出する
- これとは別に、同社が売掛先から直接、債権譲渡の承諾を取得することもあらかじめ承諾する
つまり、2社間で「取引先への開示は原則不要」と案内されていても、登記や売掛先への直接確認が行われる可能性は規約上残っています。どういう場合に要請されるかは規約に書かれていないので、気になる場合は申込時に確認してください。
ノンリコースと、規約上の責任
公式サイトは「完全買取型。取引先様の破綻リスクは弊社が負担。いわゆるノンリコース契約」と説明しています。規約でも同じ建付けです。
- 第6条6項:同社が、売掛先の債務不履行や倒産手続の開始による回収不能の危険を負担し、その対価として買取手数料を受領する
- 第6条7項:その場合、利用者は買受債権の支払に関して何ら責任を負わない
- 第11条3項(8):2社間取引でも、取立不能となった場合に利用者へ責任を負わせない
当サイトで確認した範囲では、規約に「買戻し」「償還請求」という条項はありません。他社の規約で見られる「額面金額を支払う義務」「額面金額で買い戻す義務」に相当するものが見当たらない、ということです。
ただし「どんな場合も支払義務がない」わけではありません。規約には別の形で責任が定められています。
- 第13条(損害賠償責任):第7条の表明・保証に違反する事実が1つでも発生した場合、または規約に違反する行為で損害が発生した場合、利用者は賠償責任を負う。条文は上限を「買受債権の債権額のうち譲渡額及び次項に定める損害金と費用の合算額」としており、譲渡額・遅延損害金・費用の3つが上限額の計算に関係します。遅延損害金は年14.6%(年365日の日割計算)
- 第19条(譲渡契約の解除):表明保証の違反、債務の履行遅滞、支払停止、手形の不渡り、差押え、倒産手続の申立て、公租公課の滞納処分、信用状態の著しい悪化など10の事由で、通知催告なく解除できる
- 第12条3項:売掛債権を売った後も、売掛先に対する原契約上の債務は利用者が引き続き負う。売掛先などから請求を受けた場合は、利用者の責任と費用で処理する
この「譲渡額」という語は、規約の定義条項(第1条)に定義がなく、全30条で1回しか出てきません。ほかの条文はいずれも「譲渡対価」という語を使っています。同じものを指すのかどうかは条文の文言からは確定できないので、具体的にいくらまで責任を負うのかは契約書で確認する必要があります。
整理すると、売掛先が払えなかったリスクは同社が負い、利用者側に表明保証違反や規約違反があったときは賠償責任が生じる、という切り分けです。金融庁も、ノンリコースの文言だけでなく契約の実態で判断されると注意喚起しています。詳しくは偽装ファクタリングと貸金業の線引きにまとめました。
なお第7条の表明保証は14項目あります。譲渡禁止特約が付いていないこと、給与債権でないこと、円建てであること、すでに他へ譲渡や質入れがされていないこと、相殺や差押えの事由がないこと、検収を終えて債務の本旨に従った履行が済んでいることなどです。自分が何を保証することになるのかは、申し込む前に読んでおく価値があります。
必要書類4点と、過去の入金実績
公式サイトに挙げられている必要書類は4点です。
- 顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 買取希望の請求書(請求金額・入金日が確定しているものに限る)
- 入金済みの請求書(上記2と同じ売掛先のもの)
- 上記3の入金が確認できる通帳
注目したいのは3点目と4点目です。買い取ってほしい請求書だけでは足りず、同じ売掛先から過去に入金を受けた実績を示す必要があります。公式サイトが対象売掛先を「継続的にお取引のある国内法人企業」としているのと対応しています。
これは、初めて取引する会社への請求書しかない場合、公式サイトに記載された必要書類をそろえられないということです。別の資料で審査してもらえるかどうかは公式サイトから確認できませんでした。新規の取引先への請求書を資金化したい場合は、申し込む前に同社へ相談してください。
買取金額によって追加書類が発生する場合がある、との注記もあります。
法人・個人事業主の利用条件
公式サイトの利用対象者は「売掛債権をお持ちの国内法人様・個人事業主様」で、そこに「買取金額によって国内法人様のみとなります」という条件が付いています。
いくらから法人のみになるのかは、公表されていません。当サイトで公式サイトとファクタリング専用サイトを確認した範囲では、その金額を見つけられませんでした。個人事業主でまとまった額を希望する場合は、申込前に電話で確認するのが確実です。
規約(第3条2項)の利用条件は次のとおりです。
- 代表者が満20歳以上74歳以下の国内居住者であること
- 法人の場合は国内法人であること
- 個人事業主の場合は国内で事業を行っていること
- すでに利用者となっていないこと(代表者が同じ別法人と代表者個人は、それぞれが利用者になれる)
この年齢条件はファクタリングのものです。公式サイトのよくある質問には「法人のお客様は75歳まで、個人事業主のお客様は69歳まで」という記載もありますが、こちらはビジネスローン(融資)についての回答で、ファクタリングの条件ではありません。同じサイトに両方の商品があるので、読むときに取り違えないでください。
最短即日入金と、契約の流れ
公式サイトは「請求書1枚から最短即日現金化」としています。申込から契約までWEBで完結し、契約時も来店は不要です。
審査については「赤字決算・銀行リスケ中・開業1年未満でも買取検討可能」と書かれています。独自審査である旨の説明で、通過を約束するものではありません。
2社間を選んだ場合、規約で定められている利用者側の義務があります(第10条・第11条)。
- 売掛先から入金を受けたら、速やかに同社へ連絡し、受け取った金額を指定口座へ振り込む(この振込手数料は利用者負担)
- 支払期日より前に回収した場合も、回収した日に全額を支払う
- 売掛先との相殺で債権が消えた場合も、消えた金額を支払う
- 買受債権に関する書類一式を、利用者が同社のために代理保管する
- この事務委任契約を利用者側から解除することはできない(第11条7項)
さらに規約第11条4項には、回収金を同社へ支払わない場合について、刑法第252条第1項の横領罪への言及があります。2社間で回収金を一時的に手元に置く構造上の定めで、ここまで明示している規約は多くありません。ただし、規約にそう書かれているからといって直ちに犯罪が成立するわけではありません。実際に成立するかどうかは、個別の事実関係と刑法上の要件によって判断されます。いずれにしても、入金後すぐ送金できる状態かどうかは申し込む前に考えておいてください。
GMOあおぞらネット銀行の提携窓口
GMOあおぞらネット銀行に、AGビジネスサポートのファクタリングを紹介する提携ページがあります。同行のインターネットバンキングにログインしたあと、AGビジネスサポートのファクタリングサービスへ移動する導線です。
掲載されている条件は本体と同じで、買取手数料2.0%〜9.9%、1万円から買取可能、最短即日買取、Web完結、赤字決算・創業1年未満でも買取検討可能、と書かれています。注記として「買取方法や審査結果により手数料率は異なる」「買取方法によって即日買取できない場合もある」とあります。
この導線は同行の法人口座を持っている人向けのページに置かれています。提携窓口の入口条件であって、AGビジネスサポート本体の利用条件とは別のものです。法人口座がなくても、本体のサイトから直接申し込めます。
貸金業登録とOFA認定は何を意味するか
AGビジネスサポートは貸金業の登録を受けています。公式サイトの貸金業者登録票に次の記載があります。
- 登録番号:関東財務局長(9)第01262号
- 登録有効期間:令和7年3月3日〜令和10年3月2日
- 日本貸金業協会会員 第001208号
- 加盟指定信用情報機関:株式会社日本信用情報機構、株式会社シー・アイ・シー
これは同社がビジネスローンなどの貸付けを行っているためです。ファクタリングは債権の売買なので、この登録があるからファクタリングを行えている、という関係ではありません。また、登録があることで個別のファクタリング契約の適法性が保証されるわけでもありません。運営会社の実体を確認する材料の1つとして見てください。
あわせて、同社は一般社団法人オンライン型ファクタリング協会(OFA)の認定事業者で、同協会のガイドラインを遵守して運営していると記載しています。お知らせによると入会は2023年11月です。これは業界団体の自主的な枠組みで、公的な許認可ではありません。認定の基準や、認定が現在も有効かどうかは、協会側で確認する必要があります。
契約前に確認すること
- 見積額と、口座に入る金額。手数料率ではなく実額で確認します。登記費用や印紙代が発生するかもあわせて聞いてください
- 債権譲渡登記を行うかどうか。規約上は同社の要請で行い、費用は利用者負担です。2社間でも登記や売掛先への直接確認が行われる可能性があります
- 表明保証の14項目。自分が何を保証することになるのかを読んでから申し込みます
- 同じ売掛先からの入金実績があるか。必要書類の3点目と4点目にあたります。審査に必要な書類がそろうかを、申し込む前に確認してください
- 買取希望額が法人限定の水準に当たらないか。個人事業主の場合は、金額の境目が公表されていないので先に確認します
- 回収金をすぐ送金できるか。2社間では入金後すみやかに同社へ振り込む義務があり、規約に横領罪への言及もあります
- 複数社で見積もりを取る。同じ請求書で2〜3社に出すと、手数料の水準が比べられます
手数料の見方は手数料の相場の見方、会社選びの順番は会社の選び方7つにまとめています。
向いているケース
向いているのは、継続して取引している法人の売掛先があり、過去の入金を通帳で示せる事業者です。手数料の上限が9.9%と公表されているので、提示された率が妥当かを判断しやすい点もあります。1万円から買い取るので少額でも使えます。赤字決算や銀行のリスケ中、開業1年未満でも検討可能と明記されています。契約条件を事前に読んでから決めたい人にも向いています。利用規約が全文公開されていて、費用負担や責任の範囲まで確認できるのは、当サイトで見た会社の中では少数派です。
確認が必要なのは、新規の取引先への請求書しかない場合(公式サイトに記載された必要書類がそろいません。別の資料で審査できるかは要相談)、売掛先が個人事業主の場合(対象売掛先は国内法人企業とされています)、個人事業主でまとまった額を希望する場合(法人のみになる金額が公表されていません)、債権譲渡登記を避けたい場合(規約上は要請される可能性があります)です。
このページの根拠
- AGビジネスサポート株式会社 公式サイト(www.aiful-bf.co.jp)の売掛債権ファクタリング、商品一覧、会社概要、よくある質問、5秒診断、お知らせほか計11ページ
- ファクタリングサービス 利用規約 全30条(fns.aiful-bf.co.jp/terms)。費用負担・債権譲渡登記・表明保証・損害賠償・2社間の事務委任は、この規約の条文を根拠にしています
- GMOあおぞらネット銀行「AGビジネスサポート ファクタリングサービス(提携)」(gmo-aozora.com)
- 買取金額によって国内法人のみとなる旨の記載はありますが、その金額は公表されていません。公式サイトとファクタリング専用サイトを確認した範囲では見つかりませんでした
- よくある質問の年齢条件(法人75歳・個人事業主69歳)はビジネスローンについての回答です。ファクタリングの利用条件は規約第3条2項の「満20歳以上74歳以下」です
- 確認日:2026年10月11日