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ファクタリングの基礎知識

赤字決算でもファクタリングは利用できる?審査で確かめられることと用意する書類【2026年版】

赤字決算が続いていると、銀行やビジネスローンでは話が進みにくくなります。ファクタリングは売掛金を売る取引なので、借入とは審査の見方が違います。当サイトで会社別ページを作っている買取会社15社の公式サイトを確認すると、赤字決算でも申し込めると明記している会社は10社ありました。

ただし、赤字でも申し込めることと、審査で何も聞かれないことは別の話です。会社によっては、申込者の財務状況も見ると書いていたり、決算書の提出を求めていたりします。このページでは、15社の公式サイトに書かれていることから、審査で確かめられることと、申し込む前に用意しておく書類を整理します。確認日は2026年10月19〜21日です。

赤字決算でも申し込める会社はある。15社の記載の内訳

分母は、当サイトに会社別ページがある買取会社15社です(紹介・一括査定のサービスと、申込先を確認できなかった会社は含めていません)。各社の公式サイトのうち、サービス案内・よくある質問・申込ページ・利用規約を見ています。各社が掲載しているコラムや体験談は、条件の根拠にしていません。

赤字決算についての記載 社数 会社
赤字でも利用・申込・相談できると明記 10 アクセルファクター、BIZパートナー、ファクタリングのトライ、ファクタープラン、GoodPlus、JTC、SOKULA、トップ・マネジメント、ビートレーディング、株式会社No.1
「検討可能」と記載 1 AGビジネスサポート
赤字に触れた記載を確認できない 4 QuQuMo(アクティブサポート)、ラボル、資金調達QUICK、PayTech

「確認できない」4社は、赤字だと使えないと書いているわけではありません。取得したページの中に、赤字や決算の状況に触れた記載が見つからなかった、という意味です(ラボルの利用規約にある債務超過の条項は、後の債務超過の節で扱います)。資金調達QUICKとPayTechは、銀行の融資を断られた場合でも利用できるという趣旨の回答を、ラボルは、融資やカードの審査に落ちたことがあっても利用できるという趣旨の説明を載せていますが、いずれも赤字決算についての回答ではありません。

AGビジネスサポートは、商品ページで赤字決算でも「買取検討可能」としていて、「利用できる」とは書いていません。同じ会社のよくある質問にも赤字決算の項目がありますが、こちらは事業者ローン・不動産担保ローンについての回答で、ファクタリングの条件ではありません。

審査で確かめられること

15社のうち11社は、審査で売掛先(請求書の支払元)の信用力や、売掛先との取引の実態を見ると書いています。残る4社(QuQuMo、ラボル、資金調達QUICK、PayTech)には、何を重く見るかの説明がありません。このうち3社は、提出された書類や情報をもとに審査するとだけ書いています。

各社の説明に出てくる確認項目をまとめると、次のようになります。

  • 売掛先の支払い能力。売掛先の経営状況や支払い状況(ビートレーディング)など
  • 売掛金が本当にあるか、売掛先との取引の実態。請求書、過去の請求書や通帳の入金履歴、取引先とのメールなどの「エビデンス」(トップ・マネジメント、ラボル)、売掛先との取引期間の長さ(GoodPlus)、取引年数(SOKULA)
  • 申込者の事業の実態。第三者のなりすましでないか(アクセルファクター)
  • ほかのファクタリング会社の利用歴(トップ・マネジメント)

申込者自身の状況を見ると書いている会社もある

赤字でも申し込めると書いている会社でも、同じ公式サイトの中に、申込者の財務状況や信用度、決算書も審査で見ると読める記載がある会社が4社あります。ここでは自社の審査の進め方として書かれている記載だけを数え、税金の滞納についてだけ触れた記載は含めていません。

会社 公式サイトの記載(要旨)
アクセルファクター 自社の解説ページで、売掛債権の信用を重点的に調べるとしたうえで、希望金額や財務状況も「少なからず影響します」。赤字や税金滞納があっても原則利用できるが、差し押さえの見込みがある場合は断るか時期をずらしてもらうことがある
GoodPlus 見る点として、売掛先の信用度や取引期間とともに、利用会社の信用度、代表者の人柄を挙げている
JTC よくある質問で、実績を調べるために決算書を確認するが、決算状況がよくないことで買い取りができないということはない、と回答
トップ・マネジメント 同社サイトのオンライン型ファクタリングの解説記事(サポートビズ総研)にあるよくある質問で、赤字や税金滞納は「基本的には影響しませんが、程度によっては理由などをお尋ねする場合がございます」

赤字でも申し込める会社でも、赤字の理由や今後の見通しを聞かれる場面はあると考えておいたほうが、申込のときに慌てずに済みます。なお、ファクタリングのトライ、ラボル、AGビジネスサポート、PayTechは、信用情報機関への照会をしない(AGビジネスサポートは「登録や照会等はありません」)と書いています。

決算書は要る? 会社によって扱いが分かれる

赤字の会社にとって気になるのが決算書です。15社の記載は、次のように分かれました。

決算書・確定申告書の扱い 社数 会社
提出書類として書かれている、または確認すると書かれている(段階はさまざま) 4 ファクタリングのトライ(契約時)、トップ・マネジメント、JTC、株式会社No.1(契約前の最終確認)
金額によって求める場合があると記載(別のページでは確定申告書で財務状況を確認すると記載) 1 アクセルファクター
不要と明記(書類を求める場合があるとも併記) 2 ラボル、ビートレーディング
個人事業主に開業届か確定申告書を求める 1 QuQuMo
決算書がないと審査できないわけではないと記載 1 BIZパートナー
決算書・確定申告書の記載がない(必要書類の一覧や規約の提出書類に含まれず、要否も書かれていない) 5 ファクタープラン、GoodPlus、資金調達QUICK、AGビジネスサポート、PayTech
必要書類の一覧がない(見積もり後に案内) 1 SOKULA

同じ会社の中でも、ページによって書き方が違うことがあります。

  • アクセルファクターは、よくある質問では利用金額によっては決算書の提出を求める場合がある、という書き方です。審査の流れを説明する自社のページでは、法人は法人税、個人事業主は所得税の確定申告書で財務状況を確認するとしています
  • トップ・マネジメントは、よくある質問では必須書類3点に加えて、審査で決算書などが「必要になるケース」がある、という書き方です。同社サイトのオンライン型ファクタリングの解説記事では、送付する書類に「昨年度の決算書」と「直近7ヶ月の入出金明細」が入っています
  • JTCは、トップページの審査時の書類(請求書と通帳)には決算書がありませんが、よくある質問では決算書を確認すると回答しています
  • 株式会社No.1は、申込時は請求書と通帳から始められますが、契約前の最終確認で「決算書直近二期分」が挙がっています
  • ビートレーディングは、オンライン契約なら原則として契約時の書類は不要ですが、買取金額によっては提出を求める場合があるとしています

決算書なしで申し込めると書いてある会社でも、金額や審査の結果によっては求められる余地が残っています。決算書を出したくない、出せないという事情があるなら、申込の段階で先に伝えて確認してください。

申し込む前に用意しておく書類

15社の必要書類を見ると、多くの会社に共通しているのは次の3種類です。

  1. 売掛金があることを示す書類。請求書のほか、発注書・契約書・納品書など
  2. 入出金が分かる通帳や明細。期間は会社によって違い、2か月分(ビートレーディング)、3か月分(ファクタープランなど)、直近7ヶ月(トップ・マネジメントのオンライン型)と分かれます
  3. 本人確認書類

赤字の会社が追加で手元にそろえておくと話が早いものは、次のとおりです。

  • 直近の決算書・確定申告書。上の表のとおり、求める会社があります
  • 同じ売掛先からの過去の入金が分かる資料。AGビジネスサポートは、同じ売掛先の入金済みの請求書と、その入金が分かる通帳を必要書類にしています
  • 売掛先との契約書や、取引のやり取りが分かるメール。ビートレーディングは発注書・契約書や請求のやり取りが分かるメールなどを補足書類の例に挙げています。ラボルは契約書の準備は必要ないとしたうえで、取引先とのメールなど取引を示す資料を挙げています
  • 税金を滞納している場合は納税証明書。BIZパートナーは、分納・未納の場合に納税証明書(その1)を、面談・契約時に用意する書類に挙げています

決算書が出せない場合の扱いを書いている会社もあります。アクセルファクターは、設立間もなく決算期が来ていないなどの理由で用意が難しい場合は別途相談としています。BIZパートナーは、2年前から決算をしていないという質問に、決算書がないと審査を行えないわけではないと回答しています。

必要書類の考え方は会社の選び方7つの、申し込む前に準備しておくことの節にもまとめています。

債務超過の場合に確認すること

債務超過についての記載は、赤字決算よりも少なくなります。

債務超過についての記載 社数 会社
債務超過でも利用できると記載 5 アクセルファクター、ファクタリングのトライ、ファクタープラン、GoodPlus、株式会社No.1
利用規約の利用停止事由にだけ「債務超過」がある 2 ラボル、AGビジネスサポート
債務超過でも利用できるとは書いていない 8 QuQuMo、BIZパートナー、JTC、資金調達QUICK、SOKULA、トップ・マネジメント、ビートレーディング、PayTech

注意したいのは利用規約です。GoodPlus・ラボル・AGビジネスサポートの3社は、利用者が「支払停止、支払不能又は債務超過となった場合」にサービスの利用を停止できる、という条項を規約に置いています。GoodPlusは、よくある質問では債務超過でも利用できると書いているので、よくある質問と規約の両方に債務超過が出てきます。

この条項には続きがあります。GoodPlusは利用停止になった場合、ラボルとAGビジネスサポートは退会となった場合に、利用者の会社に対する債務は期限の利益を失い、直ちに支払うと定めています(ラボルは「当該債務全部を一括で支払う」)。利用が止まるだけでなく、支払いを早められる定めがあるということです。

この条項が、申込の時点ですでに債務超過である場合にも当てはまるのかは、公式の記載からは分かりません。債務超過の会社が申し込むときは、規約のこの条項が自分に当てはまるかを、契約前に確認してください。

赤字のときほど気をつけたいこと

金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で、高額な手数料を支払うと、かえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険性があると注意しています。売上が落ちて資金が足りないときは、手数料の負担がそのまま翌月の資金繰りに響きます。手数料の率だけでなく、口座に入る金額と、その分を翌月以降に取り戻せるかを見てから決めてください。手数料の見方は手数料の相場の見方にまとめています。

同じページで金融庁は、受け取る買取代金が債権額に比べて著しく低額であるものを、偽装ファクタリングの疑いがある例として挙げています。また、売掛金の回収を売主が任されていて、売主が集金できなかった場合に、売主が債権を買い戻すことになっている、あるいは売主自身の資金で業者に支払うことになっている取引は、貸金業に該当するおそれがあるとしています。資金に困っている時期ほど、こうした条件を受け入れてしまいがちです。契約書で見る項目は偽装ファクタリングと貸金業の線引きにまとめています。

なお、金融庁の注意喚起には、赤字決算や審査についての記載はありません。赤字でも使えるというのは、各社がそれぞれ公式サイトで書いていることです。

ファクタリング以外の選択肢

業況が一時的に悪くなっている事業者向けには、公的な融資・保証・相談の窓口もあります。ファクタリングは売掛金を売る取引、こちらは借入や相談で、仕組みが違います。

  • 日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)。対象は、社会的・経済的な環境の変化など外的な要因で一時的に売上の減少など業況が悪化しているが、中長期的には回復して発展が見込まれる人で、公庫が示す要件のいずれかに当てはまる人です。赤字であれば誰でも借りられる制度ではありません
  • 信用保証協会のセーフティネット保証。各要件に当てはまる中小企業・小規模事業者が対象で、利用するには市(区)町村の担当窓口で認定を受ける必要があります
  • 信用保証協会の流動資産担保融資保証制度(ABL保証)。売掛債権や棚卸資産を担保にして金融機関から借りるときの保証制度です。売掛金を「売る」ファクタリングに対して、こちらは売掛金を担保に「借りる」形です
  • 中小企業庁の中小企業活性化協議会。中小企業の活性化を支援する公的機関として、すべての都道府県に設置されている相談窓口です

どれが合うかは、赤字の原因が一時的なものか、売掛金がどれくらいあるか、いつまでに資金が必要かで変わります。融資とファクタリングの関係はファクタリングのメリットとデメリットでも触れています。

会社ごとの記載

15社の記載を一覧にしました。各社の詳しい条件は、会社名から各ページを見てください。

会社 赤字決算 決算書・確定申告書
アクセルファクター 利用できると明記 金額によって求める場合あり(別のページでは確定申告書で財務状況を確認)
QuQuMo 記載を確認できない 個人事業主は開業届か確定申告書一式
BIZパートナー 利用できると明記 ないと審査できないわけではない
ファクタリングのトライ 利用できると明記 契約時に案内(決算書・確定申告書など)
ファクタープラン 申し込めると明記 一覧になし・要否の記載なし
GoodPlus 利用できると明記 一覧になし・要否の記載なし
JTC 可能と明記 よくある質問で確認すると回答
ラボル 記載を確認できない 不要と明記(求める場合ありと併記)
資金調達QUICK 記載を確認できない 一覧になし・要否の記載なし
SOKULA 利用できると明記 必要書類は見積もり後に案内
トップ・マネジメント 利用できると明記 必要になるケースあり(オンライン型の解説記事では送付書類に含む)
ビートレーディング 利用できると明記 不要と明記(金額により求める場合あり)
AGビジネスサポート 「検討可能」 一覧になし(金額により追加書類あり)
株式会社No.1 利用できると明記 契約前の最終確認で直近二期分
PayTech 記載を確認できない 一覧になし・要否の記載なし

このページの根拠

  • 各社の公式サイト(サービス案内・よくある質問・申込ページ・利用規約)。取得日は2026年10月19日(ラボルは10月20日、株式会社No.1は10月19〜20日、PayTechは10月21日に再確認)。AGビジネスサポートの利用規約は2026年10月11日に保存したものです
  • 各社が掲載しているコラム・解説記事・体験談は条件の根拠にしていません。例外として、アクセルファクターの審査の流れを説明するページと、トップ・マネジメントのサイト内にあるオンライン型ファクタリングの解説記事(サポートビズ総研)は、同社が自社の手続きとして書いている部分に限って使いました
  • 「記載を確認できない」は、取得したページで「赤字」「決算内容」「財務状況」などの語を検索して、赤字や決算の状況に触れた記載が見つからなかったという意味です(QuQuMo 20ページ、ラボル 67ページ、資金調達QUICK 4ページ、PayTech 5ページ)。取得していないページに記載がある可能性はあります
  • 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年10月20日確認)
  • 日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」、全国信用保証協会連合会「経営に支障が生じている方」「さまざまな保証制度」、中小企業庁「中小企業活性化協議会」(いずれも2026年10月20日確認)
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